【天草・牛深】地域ベンチャーでの2年間の地域おこしの活動記録記事まとめ[2021.07‐2023.04]

ライティング
2023年5月15日投稿

先人が海と藍とハイヤで繋いだ世界を未来へ。牛深ハイヤ祭り。CASE天草プロジェクト6

牛深からこんにちは。可知です。

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ハイヤ祭りに向けて髪を青く染めました。

牛深の4月と言えば「ハイヤ祭り」。そして今年は3年ぶりに道中踊りも復活し、本来の姿のハイヤ祭りが開催されました。
私も牛深に来てからは初めての本開催だったので、めちゃくちゃウキウキワクワクだったのですが、今回はただ楽しむだけでなく、CASEとしても大きく花火を打ち上げてやろうじゃないかということで、ハイヤ祭りに向けて飲食店の開業準備をしたり、豪華なイベントを企画したり、なかなか大忙しで記事更新が遅れてしまったのですが、とても面白いハイヤ祭りになったので余すところなく、お伝えしていこうと思います!


前回のnoteでもお伝えしたのですが、牛深BASEは3月末でようやく「牛深じもと食堂」の工事が完了し、4月に向けて開店準備を整えているところでした。

実は、こちらも3か月規模のプロジェクトを組んで東京の建築系の大学生25人を2週間牛深に呼び込み、学生たちを一緒にDIYするということを行っていたのですが、1月からプロジェクト始動・仲間集め、2月からオンラインで設計・資材発注、3月の春休みで実際に牛深に来るというスケジュールで見事に牛深BASEのキッチン部屋を完成させてくれました。

少しだけ、取り組みについてご紹介します。

去年の暮れ、東京の友人の建築学生から
「建築系サークルの共同代表になったんだけど、春休みに設計施行できる場所を探してて、牛深でできそうなら20人くらい呼べるけど、どう?」
という風にメッセージが届き、ちょうど春に向けて地元食堂オープンのためのDIYをどうしていこうか計画していたところにこの話がきたので喜んでお願いすることにしました。

施工前の写真

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まずは、私が現地の情報や建物の状態を計測して送り、会社としてどこまで予算を出せるのか、学生たちはどういう風な設計・施工がしたいのか、うちはどういう場所を作りたいのかをすり合わせ、完全オンラインで設計を行いました。

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設計会議の資料
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カウンターデザイン
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トイレ
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端材を使ったモザイクタイルの壁
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入口付近のパース
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通路と間の壁のパース(もともと窓がありました)
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キッチン奥の壁のパース

そんなこんなで2月は短期間の設計を終え、資材発注もギリギリでこなし、実際に3月牛深に学生が来てくれました。

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リノベする学生団体DaBoの皆さん
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うちで管理している空き家にみんなで泊まりました。
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施工の様子
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お昼休憩はみんな次の作業の会議をしながら、
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時には疲れて寝てることもありましたが、
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オンとオフの切り替えはしっかりと、
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工期通りに着々と作業。
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差し入れも頂いて、
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たまにはみんなでパーティしたりして、
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完成しました。
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ありがとう!DaBoのみんな!

詳しい活動の経歴はDaBoのインスタの方に載っているので、こちらもぜひご覧ください!若くて勢いのある大学生らしいフレッシュな映像を作ってくれています。

リノベする学生団体DaBo on Instagram: "2023.3.11-2023.3.22 🏝️Amakusa Ushibuka🏝️ DaBoは春休みに 古民家再生プロジェクトに 携わりました🌸 4月上旬のオープンのため 10日間という限られた施行期間の中で 食堂兼バーを完成させるために 1月からプロジェクトは始動しました。 最初は昔の柱が見えた状態でしたが 石膏ボード等の貼り付けから 漆喰の塗布を行い作り上げた壁🪜 カウンターやドア、洗面台、棚といった家具から 端材や黒板の塗料を用いた空間のデザインまで 幅広い分野での施工にチャレンジすることができました⚒️ DaBoでは、 設計から施工まで学生達で 協力しながら行っています。 今回のプロジェクトでは 施工が初めての方も多く参加し 様々な工具を体験しました。 初心者でも建築やDIYに 興味がある方は 是非お待ちしています! #diy #renovation #renovedabo #architecturestudent #天草 #設計 #施工 #建築 #建築学生 #リノベdabo #建築好きな人と繋がりたい"
32 likes, 0 comments - renove_dabo on April 13, 2023: "2023.3.11-2023.3.22 🏝️Amakusa Ushibuka🏝️DaBoは春休みに古民家再生プロジェクトに携わりました🌸4�...".

その後は、シンクや冷蔵庫、コンロ、食器棚などの設備を導入し、水道管やガス配管、電気工事を業者さんに行ってもらい、牛深BASEのキッチンは完成を迎えました。

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ハイヤ祭りに向けての仕込み。
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ハイヤ前にお試し営業も2回行いました。
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クラフトコーラの商品開発もしました。


ここまでが、牛深じもと食堂開店までの裏側でした。


そして本番のハイヤ祭りに向けては、じもと食堂お披露目営業とハイヤ祭り特設会場での飲食販売はすることを決めていたのですが、何か他にもイベントを開催したいなと思っていました。

そんな時、一通のメールが届きました。

「こんにちは!私の知り合いで徳島の藍染め文化の継承してらっしゃる方がいるのですが、今度ハイヤ祭りで牛深に来るそうで、その時ポップアップで展示かなにかをできるところを探しているらしく、牛深BASEさんが良いんじゃないかなと思い連絡しました!」

ちょうどタイミングよくイベントの企画を考えていたところだったので、二つ返事で了承して相手方とお話することになりました。

そしたら、その方以外にも4人程徳島や久留米の仲間を連れて牛深に来るそうで、みんな藍に関わるプロダクトを生産している人たちで、それぞれの物も持ち寄って展示会をしたいという話でした。

また、そもそもなぜ徳島の藍染め関係の方が牛深に来るかと言うと、江戸時代後期から明治時代にかけて、全国に藍染め文化を流行らせた徳島の藍商人たちは九州拠点の中継基地として牛深に荷下ろし、そこから久留米など九州全土に藍を供給していたらしく、帰りの船には牛深で生産されたイワシ肥料の干鰯を徳島に持ち帰り、藍を育てる大事な肥料として活用していたらしく、その繋がりはとても深いものがあるとお聞きしました。
更に、徳島といえば阿波踊りが有名ですが、皆さんのご存じかと思いますがあれは牛深ハイヤ節が元々で、牛深に来た藍商人がハイヤを気に入り、徳島に持って帰っていったものが独自に発展していったものと考えられます。
そして、それを更に全国を回っていた藍商人たちが日本全国50以上の地域に牛深ハイヤを届けていって、今や牛深ハイヤ節はハイヤ系民謡のルーツになっているのではないかという説があります。

これを聞いて、私は「こんなすごいことは初めて聞いた。牛深に1年半住んでいて徳島との繋がりがあったことなんて一度も聞いたことないし、なんで牛深の人達はこのことをあまり知らないんだろう。」と思い、せっかくならただ商品の展示会をするだけじゃなくて、この海と藍とハイヤが繋いだ工芸・文化を未来に伝える展覧会をしようと思い、これをハイヤ祭りに合わせて開催することにしました。

また、ただ展覧会を開催するだけでなく、やっぱり今を生きる令和の藍商人的存在の方々の生の声を届けたいよなと思い、牛深側からも現代の商人的存在である牛深出身社会投資家の竹井さんをお呼びして、時代を超えた徳島と牛深の商人による対談を実現しました。(アーカイブあり)

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展覧会の準備
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展覧会当日(文章は可知インスタにアーカイブあり)
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DaBoのみんなに作ってもらった棚はこれまでの思い出の写真を展示
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実は牛高郷土芸能部とも連携して、昨年度一年間の軌跡をご紹介しました(可知インスタにアーカイブ)
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なかなかお目にかかれないレアな藍染めプロダクトを展示していただきました。
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トークショーの様子。とても貴重で大事なお話が詰まっていました。(↓アーカイブ↓)
CASE天草 牛深BASE on Instagram: "【令和の藍商人×牛深トークショー】⁡ ⁡先人が藍と海とハイヤで紡いだ世界を未来へ⁡ ⁡⁡ ⁡阿波藍や久留米絣の未来を担う令和の藍商人がハイヤ祭りで再び牛深に集結!それぞれが産み出した藍染作品の展示やトークショーなどモノコト想いをシェアしながら、先人が藍と海とハイヤで紡いだ世界を未来に繋いでいくための交流イベントを開催!⁡ ⁡⁡ ⁡2023.04.15⁡ ⁡CASE天草-牛深BASE-⁡ ⁡⁡ ⁡⁡ ⁡ #牛深 #徳島 #牛深ハイヤ祭り #久留米絣 #阿波藍 #阿波紙 #天草 #海陽町 #吉野川 #熊本 #久留米 #藍染 #空き家活用 #地域コミュニティ #藍と海 #CASE天草 #牛深BASE"
50 likes, 0 comments - ushibuka_base on April 14, 2023: "【令和の藍商人×牛深トークショー】⁡⁡先人が藍と海とハイヤで紡いだ世界を未来へ⁡⁡⁡⁡阿波...".


これを開催するにあたっては牛深の生き字引である牛深歴史文化継承の会代表の吉川さんに多大なる協力をしてもらい、牛深と徳島のつながりの歴史を教わったり、資料提供をしてくださったり、写真をお借りしたりして、本当にお世話になりました。
また、本渡民俗資料館館長の本多さんにお願いして、海彩館の資料館にある「阿波徳島の藍商と鈴屋小左衛門と牛深の荷受問屋阿波屋倉七について」という古文書の解読書を持ち出してもらい展覧会の重要な情報として収集させていただきました。ありがとうございました。

飲食店販売の方は、普段のスタッフ数でじもと食堂とハイヤ祭り会場出店の2つを回すのは無理なので、CASEから増員スタッフを2人呼び、他にも熊本大学の学生さんや「おてつたび」という若者と地域のマッチングサービスを手掛けるサービスを活用して他所の若者を2人ハイヤ祭りに合わせて募集し、出店を行いました。

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やっぱりハイヤは売れて大忙しでした!
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芝生広場での出店の模様
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スパイスカレー、スパイスポテト、クラフトコーラ、ばんかんジュースなどを販売しました。
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牛深じもと食堂の出店の模様。この日だけ特別に模様替え。
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道中踊りの時のBASEは多くの人でにぎわいました。
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中に座って道中踊りを見れるようにもしました。(欲を言えばいつかBASEを正面に向いて踊ってくれたらいいな~と思ってます)
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夜の座・ハイヤもめちゃくちゃ楽しかったです。

ハイヤ祭りの展覧会の詳しい内容は私のインスタグラムの方にアーカイブと合わせて載っているので、もしよければ見ていただけると幸いです。(私が書いた展覧会文章があります。)

可知敬斗/地域ライター/東京・天草・全国 (@kachikeito) • Instagram photos and videos
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総じてハイヤ祭りは大成功に終わり、徳島・久留米の皆さんもまた来年も来たいと仰って下さり、更に今回の活動をSNSで見た徳島のお友達の方々が続々と牛深に行きたいと仰ってくれている状況だそうです。
また、来年はもっと多くの方が牛深にいらして、そのうち阿波踊りの団体とかもハイヤに呼べたらいいな~と思っています。

とりあえず、今度は私が8月に徳島の阿波踊りの方に参加しにいく予定なので、そこでまた何か繋がりを作って牛深に持ち帰ってこようと思ってます!


牛深と阿波徳島の海と藍とハイヤの繋がりを想い起こして、再び藍い情熱で地域を盛り上げる。そんな未来を創っていこうと思っています。

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2023.04.15

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